比較的安い値段で楽しめる人気の‘’夜行列車”
JR西日本は7月3日に「WEST EXPRESS 銀河」の紀南コース(京都~新宮間)の試運転を行い、メディアに公開した。
この「WEST EXPRESS 銀河」 は昨年の9月頃にデビューし、夜行列車でありながらJR東日本の四季島などの豪華列車ではなく、内装も比較的シンプルで値段もお手頃なので、そこもよい点だ。また、現在、定期的に運行せれている夜行列車は東京~出雲市・高松を結ぶ「サンライズ出雲・瀬戸」だけ。それもあって、この「WEST EXPRESS 銀河」は夜行列車本来の安くたびを楽しむということに期待を集め、注目された。
この「WEST EXPRESS 銀河」に使用される車両は関西ではお馴染みの”新快速”としても活躍し、1979年にデビューした117系の改造車だ。製造されてから30年以上が経過しているが、内装や外装は全くのべつもので、もはやこの車両が通勤列車とは思えないほど徹底的に改造されていた。
座席には、さまざまな種類を取りそろえている。2号車と3号車に34席設けられた普通車指定席、1号車は通常の座席をベッドに転換が可能なグリーン車「ファーストシート」、2号車と5号車には「クシェット」と呼ばれる夜行列車形式の2段式の簡易寝台、3号車には家族などの団体用向けの「ファミリーキャビン」、6号車は空間にも余裕があり、広々としているグリーン個室「プレミアルーム」がある。また、4号車は1両丸々フリースペースになっており、コロナ禍でなければ、利用客同士が語り合うことも可能だという。
「WEST EXPRESS 銀河」はデビュー以降も人気を維持し続けており、当選倍率も数倍から20倍ほどの倍率になっているという。また、コロナ禍ということもあり、他の乗客との接触が少ない個室タイプのファミリーキャビンやプレミアルームなどの人気が高い。
紀南コース(京都~新宮間)のルートと紹介
「WEST EXPRESS 銀河」は、京都駅31番線を21時15分に出発するし和歌山方面を目指す。京都駅~新大阪駅間を55分かけて走りる。確かに遅すぎるのかもしれないのだが、普段では気付かないようなことを発見できる。その後、22時10分に新大阪に到着し、天王寺駅から阪和線に入る。そして、和歌山駅到着は23時42分。ここで1時間18分の長時間停車がある。
そうこうしているうちに和歌山駅を深夜1時に出発し、紀勢本線を行く。次の停車駅は紀伊半島の先端、本州最南端の駅である串本駅。串本駅に6時4分に到着し、また1時間56分の長時間停車を行う。
そして「WEST EXPRESS 銀河」は8時に串本駅を出発して9時37分に終点の新宮駅に到着する。
「WEST EXPRESS 銀河」の車内紹介
1号車 グリーン車指定席
ボックス席のような構造で、それぞれの座席上には網棚と同じような荷物棚が設置されている。ボックスの中央には折り畳み式テーブルやテーブルランプ、コンセントとUSBの充電ポートがある。夜行列車として運転する場合は1人の利用となり、ベッドになる。
2号車[女性席] 普通指定席
赤色やピンク色、黄色などの明るい色が基調となっているのに比較的落ち着いた雰囲気となっている。また、女性専用のトイレ、更衣室があり、大型の鏡のほか、可動式の鏡も完備されていて、女性も快適に利用できるようになっている。
ノビノビ座席[女性席]
昔の寝台特急を思い出されるようなつくりになっている。上下2段の計4席が設置されており、友達や家族での利用にもおすすめです。座席ごとに、個別の照明や倉敷帆布の小物入れが設置されており、快適に利用できます。
リクライニングシート[女性席]
特急列車の座席よりも前後の間隔を広くなっていて、席を倒したときの傾きも大きく、色も明るいわりに落ち着いている。また、座席は交互に色が変わっている。
3号車 普通車指定席
女性席とは違い、青色や水色といった、銀河を連想させるような色が基調となって、落ち着いた雰囲気となっている。
リクライニングシート
女性席と同様に特急列車の座席よりも前後の間隔を広くなっていて、席を倒したときの傾きも大きく、色も明るいわりに落ち着いている。
コンパーメント
4号車 フリースペース
5号車 普通車指定席(ノビノビ座席)
車いす対応のノビノビ座席
6号車 グリーン車 プレミアルーム
「WEST EXPRESS 銀河」の魅力とは?
やはり、JR西日本のトワイライトエクスプレス瑞風などといった高価な豪華列車とは違って、あのブルートレインのように誰でもが旅の手段として使えることが一番の魅力だと考える。コロナが収まれば、このような列車に乗って西日本の各地を回ってみてはどうだろうか。